こんにちは。平穏堂院長の田上俊和です。
本日の「疲れにくくなる暮らし方」は
「小さいものから動かすと疲れにくくなる」です。
大前提:人は大きい力を出すと疲れる。しかし、小さい力ならば、出しても疲れにくい。
小前提1:小さいものは小さい力で動かせる
小前提2:「大きいもの」の構成要素は「小さいもの」である。
小前提2から、「大きいもの」を動かすということは、
その構成要素である「小さいもの」たちを動かしていくことと同じといえます。
小前提1から、その「小さいもの」たち一つ一つを動かす力は小さくて済みます。
小さい力で済むということは、大前提から、疲れにくいとなります。
以上から「小さいものから動かすと疲れにくくなる」となります。
次回(8/23)は、「日々の暮らしをルーティンワークにすると疲れにくくなる」です。
○総仕事量
大きい力であろうが、小さい力であろうが、
目的を達成するのに必要な仕事の総量=「総仕事量」の大きさは変わりません。
ただ、人には回復能力があり、その能力で回復し続けることのできる負荷(=前述の「小さい力」)
であれば、疲れが表面化せずに、総仕事量を終えることができるということです。
このとき、複数の場所から「小さい力」を出し、集約させることができれば、
「大きい力」で仕事をしたときと同じ時間の長さで、総仕事量を終えることもできます。
物理の方程式「仕事=力×(変位の大きさ)」で上記を解説します。
前提:
・ここでは(変位の大きさ)を、「仕事にかかる時間」と置きます。
・100単位の仕事をするものとします。
パターンA:一か所からの小さな力の場合
100単位仕事を行う場合、10単位力を用いるならば、10単位時間掛かります。
パターンB:一か所からの大きな力の場合
100単位仕事を行う場合、50単位力を用いるならば、2単位時間で済みます。
パターンC:複数箇所(今回は五か所)からの小さな力の場合
100単位仕事を行う場合、5か所からの仕事がロスなく集約できたとすると、
見かけ上、50単位力になるため、2単位時間で済みます。
上記のパターンBとパターンCの比較が、一か所からの力の大きさは違いますが、
結果として同じ仕事量を同じ時間終えることができることの説明となります。
○応用
なにか物を押す際などに、一方向に大きな力を出す必要があるときは、
動かせる部位を全て同時に動かし、それらの部位の小さな力を組み合わせて目的を達成することにより、
「どこか一か所に負荷が集中し、怪我をする」可能性を減らすことができます。
○力を出すときの関節と筋肉の動かし方
a) 作用点の関節(たとえば指の関節、手首の関節)周辺の筋肉は関節が伸展するように力を入れ、
できるだけ関節が動かないようにする。
b) 支点の関節(たとえば腰仙関節、仙腸関節)周辺の筋肉は力を矯めてゆっくり動かし、
力点で発生した力が、少ないロスで、作用点に伝わるよう調節する。
c) 力点の関節(たとえば足首、股関節、胸鎖関節)周辺の筋肉は、
作用筋の力が集約したい方向に向かうよう調節し、拮抗筋に無駄な力が入らないよう意識する。
d) 力の増減、および方向の調節は、力点の関節で行う。
以上
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