初診者のかたには、まず初診者カードにご記入いただきます。
1.まず最初にご来院のきっかけになった『いちばんツラい症状』を伺います。
2.続いて、その症状が
・いつごろから始まったか
・なにがきっかけではじまったか(覚えていれば)
・なにをするとひどくなるか
・あるいは常に症状がでているのか
などを伺い、症状を引き起こしている根源がどの程度まで深いかを探ります。
症状の確認が済んだら、施術着にお着替えいただきます。
腰や関節の痛みなどで着替えるのが難しい方は服はそのままで施術します。
お着換えいただく理由は、当院でのはり・きゅう施術では、お腹・背中・肩・手首・膝・足などに施術していくためで、治療着はそれらの部位にすみやかに触れられるようになっています。
また、施術中にきゅうの燃えカスなどで服が汚れることが無いようにするためでもあります。
施術着にお着替えいただいたあと、ベッドにあおむけに寝ていただき、脈を診ていきます。
脈を診たのち、寝た状態でツラい症状の確認や、症状に応じた痛みがでやすい「指標」と呼ばれる部位(頭部・顔面・肘の内側・膝の内側・おなかなど)の反応を確認していきます。
症状と指標の確認が終わった後、まずお腹からはりをあてていきます。
その後、手首、背中とつづけてはりをあてていきます。
接触鍼による施術中、あなたの指標を細かく確認し、症状が変化するのに必要な分だけ刺激量を加減します。
治療の最後に、起き上がっベッドに腰かけていただきます。
このとき、起き上がり方で施術中の刺激量が適切か、症状の変化はどの程度か、などを精査します。
そして肩の「肩井」(けんせい)というツボを使って全体を整える刺激を行います。
最後に、施術前のツラさと施術後のツラさを比較していただき、改善がみられるか確認していただいて施術自体は終了です。
不足があればこの後追加ではりやきゅうによる刺激を追加する場合もあります。
基本、はりきゅうとあん摩マッサージの手技は刺激過多になるため同時には行いません。ですが症状によってはあん摩マッサージの手技を合わせて用いる場合もあります。
<衛生管理>
当院で使用する「はり」は、基本、消毒・殺菌済みの密閉容器に入った使い捨ての
はり」(ディスポーザブル鍼)を使用します。
刺さずに体表を撫でたり押したりする「はり」も別にあり、それらは使い捨てではありませんが、個別に消毒・殺菌を行っています。
また、手指は、殺菌消毒洗浄石鹸液で洗浄後、水洗いし、さらに法で指定された成分の消毒剤(主成分・アルコール)で消毒・殺菌します。
また、はりを打つ部位は、はりを打つ前と、打った後に、アルコールで消毒します。
<はりの痛み>
蚊に刺された程度、とおっしゃる方が多いです。
<きゅうの痕>
当院では、きゅうは、基本的には最後まで焼き切らず、八分程度燃えたところで火を消し止めます(八分灸といいます)。そのため痕は残りにくいです。
ですが、これもやはり個人差やこちらの失敗もあるため残る場合もございます。ご了承ください。
また、何回も同じ場所に灸を据えているうちに、いきなり熱くなる場合もあります。施術中、その都度熱さを伺いますのでご承知おきください。
十分に施術効果がでるよう、上着等を脱いでいただきます。夏の薄着であればそのままでも大丈夫ですが、冬の厚着は流石に困難です。
また、しわが気になる服装の場合、お望みでしたら施術着にお着換えいただくこともできます。
症状の確認が終わった後、左上横向き寝からあん摩マッサージの施術を始めていきます。
大まかな流れは首→肩→背中→肩甲骨→鎖骨→腕→脇→手首→手指→腕→肩→頭→顔面→首→背中→臀部→足です。これを左右半身に行います。
左右半身への施術が終わったのち仰向けになっていただき身体前面へ施術します。
大まかな流れは頭→顔面→鎖骨→肩→腕→お腹→背中→足です。
身体前面への施術が終わったのちうつ伏せになっていただいて身体背面へ施術します。
大まかな流れは頭→肩→背中→臀部→足です。
身体背面まで施術が終わったのち起き上がってベッドに腰かけていただきます。
起き上がるときの勢いや動きの粗さで症状の変化をこちらで確認するとともに、自覚的な症状の変化を伺います。変化が不十分だった場合、追加で施術する場合があります。
十分な変化が確認とれましたら最後に背中に仕上げの施術を行って終了です。
<はり・きゅう施術との比較>
同じ点:からだ全体の流れを整え、精気を補うよう施術します。精気を補った結果、症状が軽くなる、という目論見は同じです。
異なる点:点より面での施術となります。疲れが取れない、全身的な筋肉痛などに適します。
施術が終わったのち、ツラさが少ない状態を可能な限り長く維持するために、あなたの日常生活にあわせてご自宅や職場でできる養生法をオーダーメードでお伝えします。
当院で提案する主な養生法は、筋力トレーニング、効率のよい体のつかいかた、ロカボ、認知行動療法などです。
いずれにも共通するのは
「可能な限り、無理をしない」
「無理したら必ず休息する」
「無理を続けなくてはならない状況が先に見えている場合、あらかじめ予想される無理のレベルに耐えられるからだとこころを作り上げておく」
という理念です。
この理念は「ヒトの回復力は有限である」という事実を土台にしています。
無理をし続ければ回復が追い付かなくなります。回復が追い付かないと、ヒトは余力を引き当て対処します。ですが、余力も引き当て続ければなくなります。
すると、いままで余力が振り分けられていたため問題がでなかった「あなたのもともと弱い臓器や身体機能」に余力が振り分けられなくなり、問題が生じます。それが症状のツラさである、と当院では考えています。
ゆえに当院は「自分の回復力の上限を超えないで行動する」ことを提案します。
また「どうしても無理をしなければならないのであれば、あらかじめ回復力を増やす/弱い臓器がなぜ弱いのかが分かればその原因をつぶす」方向で養生指導を行っております。