平穏堂が考える”汎用的な養生法”

 平穏堂が考える汎用的な養生法は、一言でいうと「無理をしない」です。

 「消耗が自然回復を上回らない環境に身を置く」とも言えます。

 

 ヒトは呼吸と食事を行うことで、東洋医学でいうところの”精気”、いわゆる生命力を製造し続けています。精気はヒトが生き続けるために使われるエネルギーです。

 

 精気の単位時間あたり生成量は一定の範囲に収まります。

 この範囲は個人差があり、同一のヒトでも健康状態や年齢によっても異なります。

 基本として精気の製造量は加齢につれ減少します。生まれた直後の製造量が最大で、死ぬときの製造量はゼロです。

 

 何もしない状態でも無意識が”臓器の恒常性維持”に精気を使いつづけています。

 ”恒常性維持”には”環境変化への適応”も含まれます。

 また、あなたが意識的に行う”任意の行動”によっても精気は消費されます。

 

 精気は消費量に対し製造量が多いときには一定の範囲まで貯蔵されます。

 この一定の範囲も個人差や年齢、健康状態によって変わります。

 個人的にはある程度の筋肉があると貯蔵量が増えると認識しています。

 

 

 そして、以下の関係が成り立つ場合が「無理をしていない」状態です。

 

 ” 精気の(製造量+貯蔵量) > (恒常性維持+任意の行動)での精気消費量 ”

 

 この関係が崩れる、つまり「無理をする(してしまう)」と一時的に精気が不足します。

 「無理をする」例には

   ・事故による外傷

   ・季節の変わり目の環境変化

   ・人間関係で強いストレスを受ける

   ・暴飲暴食

   ・過剰な量の行動(運動や仕事、入浴など)

 などがあげられます。

 

 

 精気が不足すると最低限の生命維持にしか精気を回せなくなります。また、製造された精気はすぐに消費されてしまうため貯蔵もされません。これが東洋医学でいうところの”未病”です。

 

 無理をして未病になったあとにあらたな環境の変化やストレスが加わると、それがとどめになって病気になります。

 ですので、無理をした(してしまった)ら、あらたな環境の変化やストレスを受けない安全な状態で休息して回復を待つのが良い手です。

 

 よりイメージしやすいよう、身近なお金で例えます。

 健全な家計は”(定期収入+貯蓄) > 支出(固定費+流動費)”の関係を維持しています。

 これが ” 精気の(製造量+貯蔵量) > (恒常性維持+任意の行動)での精気消費量 ”の「無理をしていない状態」に相当します。

 

 そこに、突然の事故で一時的に大きく支出し、貯蓄を崩してさらに緊縮財政にしてようやく耐えている状態が”未病”です。

 そして緊縮財政している状態に追い打ちをかけて野菜の高騰などがおこって耐えられなくなり、外部からの助けが明確に必要になった状態が”病気”です。

 

 まとめますと、当院が考える汎用的な養生法は

 「無理をしない」

 「無理をしたら安全な状態で休息し、おとなしく回復を待つ」

 の2点となります。

 

 この養生法のなかで当院がお手伝いできるのは「安全な状態で休息し」の箇所です。

 当院の施術は休息の効率を上げ、あなたの回復を後押しします。

 もちろん「病気」の状態でも当院の施術はお役にたちます。ですが、施術回数がどうしても「未病」のときより多く必要になります。従いまして可能な限り「未病」のときに先手を打って当院の施術をお受けになることをお勧めします。

 

 なお、「安全な状態で休息をとる」ことが様々な理由で困難な場合、高い頻度で当院の施術をお受けになることをお勧めしております。