交渉では先ず『利益』と『不利益』を伝えると疲れにくくなる

こんにちは。平穏堂院長の田上俊和です。

本日の「疲れにくくなる暮らし方」は

「交渉では先ず『利益』と『不利益』を伝えると疲れにくくなる」です。

大前提:人は、結果が出ない作業を続けると、実際に使用した体力以上に気力を消耗し、疲れる。

小前提1:信頼が構築済の二者間では、交渉の押し引きは原則不要である。

     なぜなら、信頼を崩して再構築する手間を、お互いに「悪」(不利益)と判断するためである。

小前提2:信頼が未構築の二者間では、交渉の押し引きが必要である。

     なぜなら互いの基準線を探る必要があるからである。

小前提3:人は、「上げ」てから「落と」されるとき、ただ「落と」されたときに比べ失望の度合いが

     大きくなる。


小前提2から、信頼が未構築の二者間では、互いの基準を探るため、交渉の押し引きが必要です。

ですが、交渉の際、「利益だけを示して判断してもらってから不利益を伝える」(上げて落とす)のと、

「利益と同時に不利益も伝えて判断してもらう」(ただ「落とす」のに相当)のでは、

小前提3から、前者より後者のほうが失望しづらい、となります。

相手が失望しづらい=自分と相手の双方が望む結果が出やすい、

相手が失望する=自分の望む結果が出にくい、となりますから、大前提から

「利益と同時に不利益も伝えると、自分と相手の双方が望む結果が出やすくなる」となります。


従って「交渉では先ず『利益』と『不利益』を伝えると疲れにくくなる」となります。


次回(10/13)は、「外見・仕草・話し方を一致させると疲れにくくなる」です。


○「誠実」な交渉について私見


   営業で「声掛け」ノルマをこなすために、面会の約束を取り付けるだけでしたら、

  「相手にもたらす利益」だけを伝え、フックするのは大変有効な手段です。

   ですが、面会して打ち合わせした後に「相手が被る不利益」を伝えた結果、

  相手の判断が翻ってしまうようならば、それは顧客側にとっても営業側にとっても

  「結果が出ない作業」であり、「時間の浪費」になります。

   であるならば、「相手にもたらす利益・不利益」の双方を先に伝え、

  それでも興味を持ってくれた顧客にだけアポイントを取るようすると、

  顧客からは「誠実」に見えます。その「誠実さ」は顧客と営業の信頼構築の端緒となり、

  結果として、成約の確率も上がる、と私は考えます。


以上