こんにちは。平穏堂院長の田上俊和です。
本日の「疲れにくくなる暮らし方」は
「メリットには精神的なものもあることを意識できると疲れにくくなる」です。
人は、自分にとってためになる行動、つまり「善」と思う行動をとります。
そのとき、往々にして、自分の「金銭・役務」面にメリットがある行動を
「善」とする傾向があります。
そこから派生し、自分に他人の関心を集めようとする場合、
他人にも「金銭・役務」面でメリットを与えることで関心を得られる、と考える場合があります。
会社でいえば金銭面のメリットは、そのまま収入の大きさであり、役務面のメリットは
福利厚生の充実です。端的にいうと「頑張るとこんなに報酬が得られるよ」といったところでしょうか。
実際には「金銭・役務」面で大きいメリットがあっても、精神面に負担が大きいと、
それをデメリットと感じ、関心が離れることもあります。
会社でいえば、精神面のデメリットは、無根拠なノルマであったり、上司からの人格否定であったり、
過大な労働時間からくるプライベートの搾取であったりします。
「精神的なメリットがある」ことを意識せず、「金銭・役務」面のメリットだけを
提供しても、メリット提供者、会社でいえば経営陣、が思うだけの関心は得られず、
その結果、提供者はストレスを感じ、疲れることになります。
「精神的なメリット」の正体は「共同体への貢献感」です。
そしてその根底には「共同体への所属感」が横たわっています。
人は『ここに居ていいんだ』と感じた場所(=共同体)で、『共同体に自分は貢献している』と
感じると、『自分の価値』を認識できます。他者からの承認は無くても有っても変わりません。
まとめると「金銭・役務」面でのメリットが相場どおりの提供しかできなくても、
「精神的なメリット」を意識して提供できれば、
メリット提供者の思い通りに他者からの関心を得やすくなることが分かります。
思い通りになればストレスも感じにくくなり、その結果疲れにくくなります。
従って「メリットには精神的なものもあることを意識できると疲れにくくなる」となります。
次回(1/4)は、「必然と偶然を区別できると疲れにくくなる」です。
○衣食住足りて礼節を知る
当記事の注意点に「金銭・役務」面でのメリットは相場どおりに提供する必要がある」
という点があります。
人は、『自分が提供する生産物や役務』に対する報酬の根拠を、多くは相場に求めます。
ある程度の上下幅はありますが、相場どおりに得られていれば不満を感じません。
ですが、相場より大きく下であればその分不満を持ち、逆に上過ぎても不安を感じます。
つまり、根拠が明確で、かつ相場から外れない報酬が渡されることで人は安心を覚えることが
できます。安心が確保された上で初めて人は「自分の価値」に目を向けることができます。
会社組織でいえば、「自分の価値」を認識できる職場であったとしても、必要最低限な報酬が
なければ安心を覚えることができないため、やはり経営陣の思い通りにはならない、となります。
以上
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