教える叱る怒るは『望ましい行動』を相手に依頼する手段だと知ると疲れにくくなる

こんにちは。平穏堂院長の田上俊和です。

本日の「疲れにくくなる暮らし方」は

教える叱る怒るは『望ましい行動』を相手に依頼する手段だと知ると疲れにくくなる」です。

 人は目的を達成するために、(同じ目的を持つ)仲間に対し『(目的を達成するのに最適な)望ましい行動』を行うよう依頼します。

 その依頼手段に『教える』『叱る(褒める)』『怒る』などがあります。それらの手段にはそれぞれ長所と短所があります。

 短期的に最も効果を持ち、かつ長期的には最も効果が薄いのが『怒る』です。

 『叱る(褒める)』は『怒る』寄りで、やはり長期的には効果が薄れます。

  短期的には効果が薄く、かつ長期的には最も効果が高いのが『教える』です。

 

 まず『怒る』は、相手を威圧し、支配した上で、『望ましい行動』を強制する手法です。

 短期的には相手は支配に従いますが、時間がたつにつれ反発が強化され、最終的には離反されます。

 離反されれば仲間でなくなり、従って『望ましい行動』が実行されなくなるため、目的が果たせません。目的が果たせなければやり直しになるため、やり直しの分、疲れやすくなります。

 『怒る』長所は即効性です。説明して理解してもらう時間が無い場合は相手を威圧し、支配してでも行動するほうが有効な状況といえます。ただ、繰り返すと相手を壊すため、あまり繰り返せません。

 

 次に『叱る(褒める)』は、相手と私的な上下関係を構築し、上下関係に由来する圧力と報奨(ごほうび)で『望ましい行動』を強制する手法です。短期的には圧力も報奨も有効に働き、長期的にも『上下関係が継続する』間はそれらが有効です。

 ですが、上下関係が崩れた時点で圧力も報奨も無効になるため、上下関係を維持し続ける必要があります。上下関係を維持するのは長期になればなるほど、必要とする気力体力が大きくなり続けるため疲れやすくなります。

 『叱る(褒める)』は上下関係がシステムとして担保されるがゆえに維持コストが低い、会社組織での上司部下関係、学校組織での教師生徒関係では有効です。しかし、上下関係の維持コストが高い、親子関係や友人関係ではあまり有効でないと言わざるを得ません。

 

 最後の『教える』は、相手と対等な関係を構築し、相手に『望ましい行動』を行った場合の利を説き、相手の自発的な行動を期待する手法です。

 教え方の精度にもよりますが相手に理解させる時間には時間がかかるため、短期的には効果は薄くなります。

 ですが”『望ましい行動』を行うと私にとって利があるのだ”と相手に理解してもらえれば、それ以上の気力体力を使わずに、相手が自発的に望ましい行動を継続して行うため、『怒る』『叱る(褒める)』に比べて疲れにくくなります。

 

従って「教える叱る怒るは『望ましい行動』を相手に依頼する手段だと知ると疲れにくくなる」となります。

 

次回(12/18)は、「努力は目的を達成する一手段だと気づくと疲れにくくなる」です。

 

以上